
2016/5/13
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- 未来の安心につながる 研究活動
未来の安心につながる 研究活動
東濃地震科学研究所(TRIES:トリース)の研究分野は地殻活動と地震防災の二本柱。1997年の設立以来、多くの研究成果を生み出しています。ここでは、2つの研究グループが行っている近年の5つの成果と活動をご紹介します。
応力計・深部ボアホール総合観測計器の開発研究
精度よく地殻の変化を観測し続けられる装置を開発※しています。トリースが開発した装置は、日本の太平洋側の地震観測点で使用され、東日本大震災の観測にも役立ちました。これから起こると考えられている南海トラフ巨大地震の変化も逃さないよう日々観測しています。
※最新の測定機器では、まわりの岩盤が100億分の1ほど変形してもわかります。たとえば地球の大きさ(一周40,000km)が1cm変わっても検出可能です。
応力・歪・水圧・水位変化の観測研究
地面の下を流れる水にも満ち引きがあり、地殻の変動によって流れも変わります。こうした関係性を明らかにすることで、地面の下はどのように動いているのか、見えない世界を見えるようにしようとしています。
水準測量と重力観測による地殻活動の研究
地面の高さと重力を測ってその変化を調べることで、地殻がどのような活動をしているのか、どのような密度なのかが分かります。火山活動やそれに伴う地震のメカニズムを明らかにしていきます。
地震活動調査研究
地面が地震の前からどれだけ動いたかで、地震を測定できます。ただし地震が起こると、動きを測るためのものさしも地面と一緒に動くため、振り子を利用した地震計や岩盤の変形を測るひずみ計などを使います。この研究により、私たちの足下に眠る「地震の可能性」が明らかになっています。
地域地震防災研究
トリースの総合観測網が捉えた地震から、瑞浪市の日吉地区や駅周辺地域などの狭い範囲を対象とした地域の揺れやすさを分析しています。この揺れやすさを表す地図から被害想定を表すリスクマップが出来上がります。さらに、震災からの復興について、世帯を単位とした復興力(復元力)の研究も行っています。
私たちの未来の安心につながるよう、トリースは地震予知と防災に向けて研究を続けています。同時に地元イベントや当サイトなどを通じて、地域のみなさまへ研究成果を還元していきます。